ミネラル自然農法
ひいらぎ農園は山のふもとの一番上にあり、野山を切り開いた田畑や、小さな果樹園があちこちに点在しています。まわりは豊かな自然がそのまま残っていることから、様々な恩恵を受けて美味しい農作物を育てることができるのです。
天然ろ過された「自然水」
田畑や果樹園のはるか後方には、瀬戸内特有の花崗岩の山「楞厳寺山」(りょうごんじやま)が迫っています。この花崗岩は一種のフィルターの役割を果たしていて、水に含まれる不純物を吸着しています。
ろ過された自然水は雑菌もほとんどなく、ミネラルがほど良く溶け出しています。当園のそばに流れている川の水を口に含んでみるとほんのりと甘みを感じます。
水を甘く感じたり、苦く感じたりするのは成分が関係していると言われ、一般的にマグネシウムやカルシウムが少ない水は、やや甘く感じるのだそうです。
当園は、この自然水や地下水を水路で引き込んだりポンプで汲み上げて、作物にたっぷりと与えています。水質検査の報告書では、定められている水質の基準値よりもかなり良い数値が記されていることからも、安全でおいしい水が山から湧き出ていることがわかりますね。
天然ろ過された自然水は塩素やカルキは含まれず、適度なミネラル成分を含んでいるので、ご飯やお味噌汁、コーヒー、お茶に使うと自然水の美味しさを感じさせてくれるんですよ~^^
水害がもたらした「肥沃な土壌」
今からおよそ20年前、記録的な長雨で土石流が発生し、田畑や果樹園、納屋などの大半が流されてしまいました。山奥のため大型の重機も入らず、復旧は人力による土砂・流木の除去作業でした。
現在の農園の一角には大きな岩で組んだ段々畑があります。この岩は当時上流から流れ落ちて来た巨岩で、人力では動かせなかったので石垣として活用したものです。
でも、これほどの大きな岩が濁流と一緒にゴロゴロ流されてくるのですから、この石垣を見ると自然の凄さ・怖さを改めて実感させられます。
重機が入れない場所は、人力による除去作業のため、堆積した土砂を完全に取り除くことはできなかったのですが、幸いなことに、流されてきた大量の土砂は、花崗岩のミネラルを含んだ肥沃な土壌でした。やむを得ず、堆積した土砂を耕して切り開いた畑でしたが、今では、大きく、甘い野菜が出来るようになったのです。
世界の四大文明も河川が氾濫し、肥沃な土壌が生まれたことが高度な文明を形成できた要因だと学びましたが、今の当園の田畑は、まさにそれを証明しているのかもしれません。
ミネラル豊富な「ブレンド肥料」
いくら肥沃な土壌でも、そのまま栽培を続けていけば当然、痩せた土壌になってしまいます。そのためには肥料などを加えて、土を豊かにしてやらなければいけません。
この肥料にとことんこだわっているのが、「山じい」こと、じぃじ(祖父)です。長年、国有林を管理し、山林を渡り歩いてきた経験はしっかりと土づくりにも活かされています。
花崗岩の山から流れてくる水、そして土石流となって堆積した土、これらに共通しているのはミネラルです。水と土にミネラルが含まれているなら、当然肥料にもミネラルをたっぷりと含んでいた方が相性も良いし相乗効果が期待できる…そう考えた山じいは、魚の骨や鰹節、昆布など豊富な原料をブレンドし、発酵させて、ミネラルたっぷりのオリジナル肥料を作っています。
ただし、この肥料、使っている原材料もさることながら、更に発酵させているので…
とにかく臭いがスゴイ!!
液肥にした時などはとても臭くて近寄れません。だから当園では液肥を使う時は
「必ず雨が降る直前に撒く」と決めてあります…